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クルマの積み込み ~レッカー車~

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クルマの積み込み ~レッカー車~

動かないクルマや狭い場所に止まっているクルマをレッカー車に積むやりかたをジェームズから説明を受けます。

マイケル 新入社員 マイケル

入社したての新入社員。年齢は29歳。最終学歴は高校の普通科卒。中型免許は持っていない。ニートをしていたが、遊ぶ金欲しさからハローワークで求人募集していたロードサービス業者「じょぶレッカー」で働くことにした。

ジェームズ ベテラン社員 ジェームズ

年齢は45歳。ロードサービス・レッカー歴9年のベテラン。保有資格は大型免許、小型移動式クレーン、玉掛けなど。

積み込み手順

ジェームズ

ジェームズ「マイケル。今日は事故や故障で走行できないクルマを、レッカー車に積み込むやり方を説明するよ。」

マイケル

マイケル「後ろの装置でタイヤをひっかけて、運ぶんでしたっけ。」

ジェームズ

ジェームズ「ふむ。ロードサービスで乗用車を搬送するときは、アンダーリフト(ホイールリフト)でタイヤ吊り上げる方法が一般的だ。事故でタイヤがはずれてたり、トラックだったりする場合はフレームを吊り上げて搬送するぞ。」

アンダーリフト

アンダーリフト

マイケル

マイケル「タイヤで吊り上げる方法以外にもあるんですね。」

ジェームズ

ジェームズ「じゃあ、今からタイヤで吊り上げるから見てくれ。」

レッカー車に積み込み

レッカー車に積み込み

ジェームズ

ジェームズ「手順としては

  • レッカー車をクルマの前につける。
  • アンダーリフト(レッカー車の後ろの装置)を下げる。
    アンダーリフトの動作には、上下とチルト(角度)と伸縮があるんだ。
    わかりづらいが、全体的に下げて、その後チルトで角度を下げているぞ。
  • アンダーリフトがバンパーに当たらないように、クルマの目の前まで下がる。
    アンダーリフトは伸縮するから、車高の低い車の場合には手前で止めて、目視しながらアンダーリフトを伸ばすと安全に作業ができるぞ。
  • アンダーリフトをタイヤに当たるまで伸ばす。
  • L字のアームをタイヤを挟むように、アンダーリフトを取り付ける。
  • アンダーリフトを上げる。


状況によっては、アンダーリフトを先に伸ばすなど細かい違いはあるかもしれないが、やってることは同じだ。
最後にタイヤを固縛することとクルマがアンダーリフトから落下して無人で走行してしまうことを防ぐために対策を施すことを忘れないように。

マイケル

マイケル「へーなんだか簡単そうですね。」

ジェームズ

ジェームズ「作業する現場が広い、車高を下げたりエアロパーツをつけたりしてない、前輪駆動車など、やりやすい状況が組み合わさると、本当に簡単な作業だ。」

状況によっては、ちょっと大変

マイケル

マイケル「ちなみに、やりやすくない状況の場合は、どう対処するんですか。」

ジェームズ

ジェームズ「ふむ。クルマのエンジンが始動できないと仮定するぞ。まずは作業する現場の広さだが、そもそもレッカー車を前につけるスペースがないと作業をするのが難しくなる。そういう場合は、レッカー車を斜めからクルマにつけるんだ。ただ、アンダーリフトがタイヤに届いたときに、中心がとれてないと吊り上げできないので、慣れが必要だぞ。こんな感じだ。」

レッカー車を斜めにつける

レッカー車を斜めにつける

ジェームズ

ジェームズ「もっと狭い場合は、こういう角度でもできるが更に難しい。」

レッカー車をもっと斜めにつける

レッカー車をもっと斜めにつける

マイケル

マイケル「アンダーリフトのタイヤを吊り上げる部分が斜めになるんですね。」

ジェームズ

ジェームズ「そうなんだよ。中心部分が軸になって旋回するから、クルマをけん引することができるんだ。
クルマのタイヤが4本回る状態であれば、ギヤをニュートラルにしてサイドブレーキを解除して広い所まで手で押したほうが、楽な場合もある。
また事故などでタイヤが回らない状態であれば、クレーンやウィンチを使ってクルマの方向転換をすることも可能だ。
他にも故障によって、ギヤが動かない、ハンドルが効かないなど困難な状況は様々あるが、装置、工具を使ってなんとかするんだ。」

マイケル

マイケル「事故や故障したクルマを運ぶのって大変なんですね。」

ジェームズ

ジェームズ「次に、車高を下げたりエアロパーツをつけたりしているクルマについてだ。まず、吊り上げるまでが大変なんだ。
車高がアンダーリフトの厚さより低い場合には、タイヤまでアンダーリフトを伸ばすことができない。
そういう場合は、吊り上げる左右のタイヤの下に小さな板などを入れて、アンダーリフトを伸ばすことができるように隙間を広めるんだ。
ジャッキを使用してタイヤを浮かせてから小さな板など入れる方法があるぞ。」

マイケル

マイケル「へーたいした作業ではないですね。」

ジェームズ

ジェームズ「いや、車高が低いと吊り上げた後も大変なんだよ。レッカー車でクルマの前側を上げるとするだろ。そうすると、後ろ側は下がるんだ。車高が低い、エアロパーツがついている、大きいマフラーがついているクルマは地面に当たる可能性がある。
そういう時は、吊り上げない方のタイヤを持ち上げることで車高を上げることができる。
これにはドーリーという道具を使うが、駆動輪についてと一緒に説明する。」

アンダーリフトの上下

アンダーリフトの上下

駆動輪ってなんだ

ジェームズ

ジェームズ「クルマには駆動輪というものがある。エンジンから発生したエネルギーがトランスミッション、トランスファー、プロペラシャフト、ディファレンシャル、ドライブシャフトを介してタイヤに伝わるんだが、前と後ろのタイヤどちらにエネルギーが伝えられると思うかい?」

マイケル

マイケル「急によくわからない単語を連発しないで下さい。せっかくタイヤが4つあるんだから全部に伝えるんじゃないんですか。」

ジェームズ

ジェームズ「各単語についてを今は気にしなくていいぞ。エンジンからいろいろ介してエネルギーが伝わるタイヤを駆動輪というんだ。駆動輪はクルマによって違う。
FFとかFRとか聞いたことはあるかい。」

マイケル

マイケル「あーなんか聞いたことありますね。」

ジェームズ

ジェームズ「FFというのは、フロントエンジンフロントドライブの略だ。FRというのは、フロントエンジンリヤドライブの略だ。
他にもRR、MRとかあるぞ。
例えばフロントエンジンフロントドライブというのは、前にエンジンがあって、駆動輪は前という意味だ。
フロントエンジンリヤドライブだと、前にエンジン、後ろが駆動輪だ。」

マイケル

マイケル「レッカーとそれが何か関係あるんですか。そんなの見てわかるもんなんですか。」

ジェームズ

ジェームズ「ふむ。レッカー車を扱ううえで、駆動輪を知ることはとても大事なんだ。
というのも、駆動輪をエンジンが始動してない状態で(長時間、早く)回したらいけないんだ。
さっきも言ったが駆動輪はトランスミッションなどを介してエネルギーが伝わってきている。つまり駆動輪が回ればトランスミッションなども内部が動作するということだ。
本来であればエンジンが始動していてトランスミッションの内部でオイルの散布が行われたり、その他制御されていたりするわけなんだが。
エンジンが掛かってない、制御されてない状態で、トランスミッションを動作させると負担が掛かってしまうんだ。
そして最悪ブッコンする(ぶっ壊れる)。
ちなみに変速方式、車種によっては駆動輪を回しても、ほとんど影響はない。
また見分け方だが、FFの例だから見てくれ。」

駆動輪を見分ける

駆動輪を見分ける

マイケル

マイケル「あー駆動輪をレッカー車で吊り上げるってことですか。見分け方は、よくわからないんで今度詳しく教えてください。」

ジェームズ

ジェームズ「確かに、そうやって対応することも可能だ。
FFのATのクルマなら前輪(駆動輪)を吊り上げてギヤをパーキングのままで、サイドブレーキを解除すれば、けん引することができる。
FRの場合は後ろを吊り上げるが、そうすると前輪が回る状態になる。その場合は、タイヤが曲がらないようにハンドルをがっちり固定してけん引しないと大変なことになる。
そして、マイケルがさっきいったタイヤが4つ回る4輪駆動(4WD,AWD)が問題になる。
そこで、ドーリーを使うんだ。4輪上げてしまえば問題ないだろう。
これがドーリーだ。」

ドーリー

ドーリー

ジェームズ

ジェームズ「タイヤ、左右を繋ぐバーを分解して、レッカー車に積んでおくことができる。
このタイプのドーリーは、ジャッキなどを使わずにテコの原理で簡単にクルマに装着することができる。
もちろん、装着したらタイヤを固縛する。
これがドーリーをクルマに装着した例だ。」

ドーリー装着例

ドーリー装着例

マイケル

マイケル「車幅が広がってけん引するのが大変そうですね。」

ジェームズ

ジェームズ「その通りなんだ。クルマの車幅が広くなるからドーリーを使用して、けん引する場合はミラーをよくみて走行しないと危ないぞ。
まーまずは、簡単な状況での積み込み作業を練習してくれ。」

マイケル

マイケル「わかりました。頑張ります。」

レッカー車は現場が狭い、エンジンが始動しない(走行できない)、タイヤがまわらないなど様々な困難な状況でも対応できる車両です。
ただし、クルマの前または後ろのタイヤを吊り上げて走行する特性上、クルマに負担が掛からないようにする積み込み方を知っておく必要があります。
今回説明したドーリー以外にも、けん引によるクルマへの負担を防ぐ為にドライブシャフトやプロペラシャフトをはずすこともあります。

FF、FR、トランスミッション、ディファレンシャルなどクルマに興味がないと、あまり耳にしたことがない言葉もあったかもしれません。
ですが実際に目で見ながら、なんの為にある部品なのかを知ると、すんなりと頭に入るものです。
ロードサービスの仕事に興味がある人は、未経験でクルマの知識がなくても、ぜひチャレンジしてみて下さい。
もちろん整備士経験のある方、クルマが好きな方も、ぜひロードサービスの求人を見てくださいね。